Recently
Archive
Category
Link
Profile


満月の虹~続~

color45.jpg


インド クシャルナガール


あの晩、何度もシャッターを切った。
切りはじめる数十秒前まで心臓はバクバクしていたけど、とても静かな気分で闇夜に向かってシャッターを切った。

闇夜には何もなかった。
5年という時間を経たけど、満月の虹はかからなかった。
残念という気持ちもなく、ただ静かだった。
闇夜に向かってシャッターを切りながら、自分が何で日本を飛び出してきたのか何となく分かった気がした。

日本を出る前、自分が闇の中にいたことに気がついた。
だから闇の中に浮かぶ虹に憧れたのだ。

月光で浮かぶ虹を赤裸々に見たから良いというのではなく、そこに至るまでの長い旅の中で触れた様々なことが虹であり、自分にとっての処方箋であるように思った。

帰国後……、記念に闇の写真を現像しようかと思ったけどやめた。
それまでの経緯を話した上で闇夜の写真を見せても気持ちを共有するのは難しいし。。。

それに…あの晩、あの場所から虹が本当は出ていたとしたら…、今まで書いていたことは全くの嘘で、夜空に浮かぶ虹を眺めていたとしたら…。

そりゃあ、誰かに見せるなんて勿体無いでしょう?
誰でもそうだと思います。


2006.11.17(Fri) - 満月の虹について


満月の虹

色褪せたグレゴリーのバックパック。。。
それはベランダに置いてある。
旅で使っていたもの。

そのバックの中には2002年9月21日に撮影された未現像のフィルムが入っている。
もう現像は無理だろう。
フィルムはジンバブエのビクトリアフォールズで撮影に使った。

昔、満月の光で虹がかかると聞いた。1997年だったかな。。。
その時は何も感じなかったけれど、ずっと心に残っていた。
それはいつしか自分にとって絶対的なものになっていった。何故かは分からない。

それから5年後の9月21日の夜、ビクトリアフォールズの滝の前にいた。
満月の虹がかかるのを待っていた。心臓の鼓動が激しかった。
それから数分後、目の前の光景に何度もシャッターを切った。

帰国後、周囲は口を揃えるように言った。
「現像するべきだ」
でも、しなかった。

今もフィルムはバックの底で眠っている。








2006.11.13(Mon) - 満月の虹について


もう一丁

color42.jpg


ナミビア キートマンシュープ

先日アップした写真を撮った夕方。
何だか切り絵のような一枚。
漆黒の闇に段々と包まれていく。
木の間に沈んでいく太陽を見ながら「もうそろそろいいかな」って思ってしまった。
最低でも2年半、長ければ4年の旅程を組んでいたけど2年も経たない間に沢山のことがありすぎた。アドレナリンは出尽くして熱が徐々に冷めていくような感覚だった。
この写真を撮った20日後は満月の日。
このブログのタイトルにある満月の虹を見るためにジンバブエに戻ることになっていた。

あの満月の虹…。



2006.10.14(Sat) - 満月の虹について





/