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牛をしばく棒

牛をしばく棒。

なんて素敵な響きなんだろう…。
このアイテムの存在を知ってからというもの、どうしても欲しくなってしまった。もう、牛をしばく棒抜きには生きられない身体になってしまった気すらした。
数年後、モザンビークからジンバブエの首都ハラレに到着した時にその魅惑のアイテムを手に入れるという夢のような話が現実的になった。

少ない情報をもとにハラレのはずれにあるムバレマーケットに向かった。 そもそも、牛をしばく棒というのが何屋に売ってるべきものか分からない。まさか 「牛をしばく棒屋」なんていう専門ショップがあうわけでもないだろう。何でも置いてありそうなマーケットが一番だ。 マーケットに到着した私は早速リサーチを始めた。
私「エクスキューズミー。牛をしばく棒はありますか?」
お店の太ったおばちゃん「???」
私「いや、だからね、こう牛をビシバシしばきまくる棒があるって噂で聞いたんですけど…」
おばちゃん「アイヤー」
私「………」
更に別のおばちゃんに訊いてみる。
私「牛をバッシバッシたたく棒はありますか?」
おばちゃん「?」
私「牛をしばきたいんですよ。こうやってビシバシビシバシ…」
おばちゃん「???」

何だか上手く伝わらない。大体、牛をしばくって何て言うんだ?
というか俺は一体何をしてるんだ。。。

しかたなく私は下手っぴな絵を描いた。

そして…
おばちゃん「おお~、チャンボコ!」
私「!!!」
 「そ、そのチャンボコってのは何処に?!」
おばちゃん「あ~、それなら食料品が売っている方の農具屋にあるよ」 私「おお!おばちゃん、ありがとう!」

更に捜索は続く。 そして……

私「エクスキューズミー。チャンボコはありますか?」
農具屋のおばちゃん「おお!あんた何処から来た?」
私「日本です。それよりもおばちゃん、しばき棒は?」
おばちゃん「こんなもの何に使うの?」そう言って、おばちゃんは皮で編んだムチを取り出した。

……棒じゃない。。。TT

私「これは何ですか?」
おばちゃん「チャンボコ!」
私「いや、だからね、そうじゃなくて棒が欲しいんだ。棒が。」
おばちゃん「あ~、それならこっちだね」
おばちゃんは目の前にぶら下がっている皮で編んだ束を指差した。
確かに棒状になっており、両端は丸く輪になっている。
私「これはどうやって使うんですか?」
おばちゃん「普通は牛の首に巻いて使うのさ。でもチャンボコ(牛をしばくムチ)でなく、こっちも首に巻かずに牛を追いたてるのに使うね~」

………。 コレだっ! ついに発見したぞ!何年も前に知った「牛をしばく棒」。 垂涎のアイテムをついにゲットした。
値段は100ジンバブエドル。 ついつい嬉しくて10本以上買ってしまった(おばちゃんは大喜び)。

その数本を船便で日本に送り(ジンバブエからの船便は驚異的に安い)、残りは貴重品として自分で持った。

しかし、買ったはいいけれど、これは何に使えばいいのか…。 牛をしばく機会なんてあるんだろうか。。。
そもそも、何で俺はこんなものに執着したんだ。 ……。 そうだ。インターネットで売ろう。数ヵ月後に日本に帰国してからネット上で出品した。値段は100,000円。大きさが分かるようにラ・フランスと一緒に撮った写真を貼付し、使用方法に「むかつく上司、浮気した旦那、SMにも…」なんてことを書いて出品した。品名に惹かれて数千人がアクセスし、何度か問い合わせも受けた。

しかし、誰も買ってくれない。。。 何故なんだ…。

出品者への質問で、「あんた、最高だよ」と意味不明の感想を送ってくるものもいた。 何なんだ、キミは…。。。

結局、全くといって良いほど売れず、牛をしばく棒は無償で友達に配布した。 マジでふざけんなよ…。

ところで、この牛をしばく棒、もう私の手元にはない。写真もどっかに落としていたはずだけど、どこかにいってしまった。先日、懸命に現物を探したけれど、牛をしばくムチしか見つからない。

でもね、こうしたものは実物が見たければ現地に飛ぶのが一番だと思う。 仮に写真が見つかっても、私の性格上、公開はしませんです。 もったいつけるようで申し訳ないけれど、それは満月の虹と一緒で、そのものを赤裸々に見たから良いというものではないと思う。
だから牛をしばくムチも同じで見せることはできません。
ケチ? ええ、その通りです。


2006.12.21(Thu) - 未分類





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